「早生まれって損ばかりだから嫌だ」
と私の娘が泣いていました。
娘に「早生まれの何が嫌なの?」って聞いたら
体が同級生より小さいから柔道をするにしても
バスケットボールをするにしても不利だからだそうです。
日本には同じ学年でも早生まれの子がいれば遅生まれの子もいます。
特に小中学生は1年間で10㎝前後身長が伸びたりするので、
早生まれの子は身長的に不利になることもあるでしょう。
しかも日本だと早生まれであろうが遅生まれであろうが
学年を選ぶことができません。
では韓国では早生まれの人は学年を選べたりするのでしょうか?
まずそもそも早生まれとは何か、説明ます。
そもそも早生まれとは?
早生まれの人がよく言う冗談に「私、早生まれだから30代なの。あなた40歳よね」
みたいなのがあります。
ところで早生まれって言葉はみんな普通に使うと思います。
ここではまず早生まれと遅生まれの定義を明らかにしておきます。
・早生まれとは誕生日が1月1日から4月1日までの人のこと
・遅生まれとは4月2日~12月31日の中に誕生日がある人
あるいは遅生まれとは早生まれに該当しない人
です。
なので、みんな早生まれか遅生まれかのどちらかに当てはまります。
早生まれの人は遅生まれではありませんし、
早生まれでない人は必ず遅生まれだということですね。
ただ、少なくとも日本の学校では4月に始業式があって
3月に終業式があるわけです。
で、4月2日生まれから翌年の4月1日生まれまでの人が
同じ学年に所属します。
ということは、1月1日生まれから4月1日生まれの人は4月2日から12月31日生まれの人より
遅く生まれているわけです。
たとえば、2000年2月20日生まれの人と1999年5月1日生まれの人は同学年だから
2月20日生まれの人の方が5月1日生まれの人より遅く生まれてますよね。
ではどうして1月1日生まれから4月1日生まれの人を早生まれっていうのでしょう?
まず学校教育法第22条の条文をご覧ください。
以下、学校教育法から引用
第22条 保護者(子女に対して親権を行う者、親権を行う者のないときは、未成年後見人をいう。以下同じ。)は、子女の満六歳に達した日の翌日以後における最初の学年の初めから、満十二歳に達した日の属する学年の終わりまで、これを小学校又は盲学校、聾学校若しくは養護学校の小学部に就学させる義務を負う。ただし、子女が、満十二歳に達した日の属する学年の終わりまでに小学校又は盲学校、聾学校若しくは養護学校の小学部の課程を修了しないときは、満十五歳に達した日の属する学年の終わり(それまでの間において当該課程を修了したときは、その修了した日の属する学年の終わり)までとする。
2 前項の義務履行の督促その他義務に関し必要な事項は、政令でこれを定める。以上引用終了
上記条文のうち重要なのは『子女の満六歳に達した日の翌日以後における最初の学年の初めから』
の翌日以降の部分です。
小学校にはふつう4月1日に入学することいなるので
最初の学年の初めは4月1日です。
ですから、『子女の満六歳に達した日の翌日以後』は
4月2日になります。
2015年4月1日生まれのA君と2015年4月2日生まれのB子さんがいたとしましょう。
2015年4月1日生まれのA君が小学校2年生の時にB子さんは小学校1年生になります。
ただ、2015年スタートは1月1日から12月31日なので
1月1日生まれから4月1日生まれまでの子は4月2日から12月31日生まれの子よりも早く学校に通うことになります。
逆にB子さんはA君よりも遅く学校に通うことになります。
だから1月1日から4月1日生まれの人は早生まれで4月2日から12月31日までの人は遅生まれと言われるわけです。
これは相対的(何かと何かを比較するという意味、ここではA君とB子さんの入学するタイミングを比較して早いか遅いか)なものです。
韓国と日本では年齢の数え方が違う
日本における年齢の数え方と韓国における年齢の数え方は違います。
日本では生まれた瞬間の年齢は0歳ですが、韓国では生まれた瞬間に1歳になります。
しかも年齢が1つ増えるタイミングも違います。
日本では誕生日が来たら1歳年をとりますが、
韓国では1月1日になったら全員1歳年をとります。
なのでよく言われる例ですが、
日本だと12月31日生まれの赤ちゃんが1日たって1月1日になっても0歳ですが
韓国だと、12月31日に生まれて1歳で、1月1日に2歳になります。
同じ年、同じ日に生まれても日本と韓国では2歳の年齢差が生まれることだってあるわけですね。
新学期の時期も日本と韓国では違う
日本は4月1日から新学年がスタートし、3月31日で終わりますね。
でも韓国では3月1日から新学期がスタートし、2月末日で終わります。
つまり、日本より1ケ月早く新学年がスタートするわけですね。
ということはやはり韓国でも1月1日から2月末日までの生まれた人は早生まれとなるのでしょうか?
もし早生まれがあるなら、自ら選択して、早生まれを解消できるのでしょうか?
韓国にも早生まれがある?
結論として、韓国も昔は日本と同じように早生まれがありました。
でも現在はありません。
どうしてか?
これは韓国では年齢の数え方が
12月31日に生まれると翌日に2歳になってしまうなど、
そもそも日本より複雑な年齢の数え方をします。
これに加えて早生まれを取り入れると
社会人になってからさらに複雑になってしまうからです。
そもそも韓国は目上の人に対してお酒を目の前では飲んではいけないなど
礼儀に対して厳しい国です。
詳しくはこちらで解説しています。
⇒韓国では食事を残すのが礼儀?
だからたまたま誕生日が1日違いなだけなのに
目上、目下の関係が生まれるのは精神的にもきついでしょう。
そういったいろんな理由があって韓国では早生まれが生じないように配慮されています。
ではどうやって韓国では早生まれが生じないようにしているのでしょう?
2009年より前は3月1日生まれから翌年2月末日生まれの子たちが同じ学年だったので早生まれがありました。
でも、2009年以降は1月1日生まれから12月31日生まれの子たちが同じ学年扱いになったのです。
韓国では1月1日にみんな必ず1歳年をとるため、
1月1日から12月31日生まれの子たちがみんな同じ学年であるなら早生まれという概念が生まれません。
韓国における学年の考え方についてはこちらの記事でさらに詳しく解説していますので
興味のある方はご覧ください。
⇒韓国における年齢の数え方と学年の分け方