前回の記事ではパッチムとは何か、解説しました。
⇒パッチムとは?わかりやすく解説
前回解説したパッチムはたとえば、
みたいにパッチムが1つしかついていないケースです。
ちなみに上記文字は『kim(キム)』と読みます。
韓国の人で多い名前の『キム』です。
ではここからが本題です。
もし1つの文字の中にパッチムが二つあったらどのように読んだらよいのでしょうか?
たとえば『값(日本語で価格)』のような文字のケースです。
『값』を発音すると『カプ』と読むのですが、
こんな感じで1つの文字の中にパッチムが2つつくものを二重パッチムといいます。
この記事では二重パッチムについてわかりやすく解説していきたい思います。
二重パッチム一覧
原則的な二重パッチムは以下の11個あります。
逆に、この11個のパターンを覚えれば、
たいていのパッチムに対応できるようになります。
・ㄻ
・ㄿ
・ㄵ
・ㄶ
・ㄺ
・ㄳ
・ㄼ
・ㄽ
・ㄾ
・ㅀ
・ㅄ
まずは上記のような二重パッチムの組み合わせが11個あるんだと知っておくだけで大丈夫です。
次に、上記のような二重パッチムがあった場合に
どう読めばよいのか、説明していきます。
二重パッチムについてわかりやすく解説
まず原則的なルールから説明しますね。
1つ目のルールとしてはいくら1つの文字の中にパッチムが2つ入っていたとしても、
どちらか1つ『だけ』読みます。
パッチム2つといっても左右の1つずつパッチムがあるわけですから、
左のパッチムか右のパッチムかどちらか1つだけを読むということです。
2つ目のルールとしては2つパッチムがついていた場合、
第1位:ㄱ
第2位:ㄴ
第3位:ㄷ
第4位:ㄹ
となります。
これだけ書いても「???」という方も多いでしょう。
なので具体例を挙げてみますね。
『읽다』は『イクッタ(iktta)』と読み、日本語で『読む』を意味します。
で、『읽다』において二重パッチムが存在するのは『읽』の部分ですね。
上記の優先順位を見ると左側の『ㄹ』と右側の『ㄱ』だと
左側は第4位であり右側は第1位なので、第1位の『ㄱ』が優先されることになります。
で、『ㄱ』は「k、ク」と発音するのでしたね。
ただ、この『ク』は『ック』に近いです。
⇒パッチムとは?わかりやすく解説
また、二重パッチムの上側の文字、『이』は『イ』と読みます。
なので、『읽』は『イク』と読みます。
また、『다』は『タとかダ』と読むため、『읽다』は『イクッタ』と読みます。
二重パッチムの例外
第1位:ㄱ
第2位:ㄴ
第3位:ㄷ
第4位:ㄹ
でしたが、例外もあります。
・ㄻ
・ㄿ
の2つです。
たとえば、『ㄻ』の場合、右側の『ㅁ』は優先順位にも入っていないので
原則的には左側の『ㄹ』を読むことにりそうです。
でも、『ㄻ』の場合には右側の『ㅁ(マ行)』を読みます。
また、『ㄿ』も左側の『ㄹ』でなく、右側の『ㅍ(パ行)』を読みます。
ただややこしいのですが、『ㅍ』は『ㅂ(パ行)』の発音をするのでご注意ください。
たとえば、『삶』は下の二重パッチムは右側の右側の『ㅁ(マ行)』を読み、
上側は『サ』と読むので、[sam』みたいな読みになり、日本人的には『サム』と読みます。
日本語でいうと『삶』は『生活』という意味になります。
また、읊다は左側の『읊』が二重パッチムですが、
これは上記解説のように、左側でなく右側の『ㅍ』を『ㅂ(パ行)』として読むため、
『ウプタ』と読み、日本語では『詠む』を意味しています。
次に例外の2つ目を説明しますね。
二重パッチムが入った文字の次の文字が子音の『ㅇ』だったら
二重パッチムが入った文字は連音化します。
子音が『ㅇ』というのは単純に日本語だと母音の発音だということです。
たとえば、『아』なら母音の『ア』になります。
連音化は日本語でも存在していて、
たとえば、『反応』は『はんのう』と読みますね。
でも漢字1文字1文字でみると『はん』『おう』ですよね。
ローマ字にすると『han』『ou』となり、くっつけると『hanou』ですね。
このローマ字を素直に読んだら『はんのう』となりますね。
こんな感じで、前と後ろの音がくっついて発音が変化するものを連音化といいます。
では二重パッチムの連音化ってどういうものなのでしょうか?
二重パッチムの右側にあるパッチムが次の文字の「ㅇ」の位置に移動します。
たとえば、『앉아요』にして連音化の勉強をしていきましょう。
一番左の文字『앉』は二重パッチムですが、隣の文字『아』は母音の『ア』ですね。
この場合、連音化するんでしたね。
結果、
となります。
そして、앉아요は안자요となり、『アンジャヨ』と読みます。
意味は『座ります』です。
以上で、パッチムが二つある場合、つまり二重パッチムについての解説を終わります。
参考にしていただけますと幸いです。