この記事では打製石器を使っていた時代はいつなのか？
わかりやすく解説したいと思います。
打製石器を使っていたのはいつの時代？
最初に結論から。
今から約3万8千年前から始まったといわれている旧石器時代から
今から約1万年くらい前から始まったといわれている縄文時代で
打製石器は使われていたといわれています。
この時代に生きた人たちは土器といった容器を持っていなかったようで
打製石器を使って獲物を仕留めて生活していました。
それでは以下、詳しく解説していきますね。
打製石器は旧石器時代から使われています。
旧石器時代は寒い時期でまだ日本列島はできていません。
ナウマンゾウとかオオツノジカみたいな大型動物を打製石器を使って仕留めていました。
打製石器は石器の中でも割と簡単に作れるタイプで
一番古い形のものは楕円形石器です。
楕円形石器は柄につけたりしてゴンと叩くタイプになります。
つまり楕円形石器は打撃用です。
楕円形石器が進化するとナイフ形石器になります。
ナイフ形石器は敵を切り裂くために使用します。
さらに進化すると尖頭器（せんとうき）になります。
尖頭器は槍の先端部分みたいな感じです。
尖頭器は相手の急所を突きさすような使い方をしていたようです。
こんな感じで旧石器時代の打製石器はだんだん鋭利なもので
敵を仕留める方向性で進化していったようです。
さらに進化したのが細石器（さいせっき）です。
触ったら手が切れるようなガラス製の細かいものを木や骨に埋め込で使用します。
細石器は鋭利な刃物みたいなものです。
上記のような打製石器を使って大型動物を仕留めて食料にしていたようです。
ちなみに旧石器時代では数種類のゾウが存在していたようです。
たとえば北方だとマンモスで南方だとナウマンゾウです。
旧石器時代ではめちゃくちゃ寒い時期で
大型動物を打製石器を使って狩猟していたというのが特徴です。
そして縄文文化（縄文時代）でも打製石器は使われています。
約1万年前の話になりますが、
縄文時代では旧石器時代よりも気候が温暖化し海面が上昇し
日本列島ができました。
そして気候が温暖化したりするなどの影響で大型の動物が死滅したといわれています。
その結果、イノシシとかニホンシカやウサギみたいな小型から中型の動物が増えたようです。
ウサギとかイノシシはすばしっこいので旧石器文化で使っていた
打撃系の打製石器では仕留めれません。
走って追いかけても逃げられてしまうからです。
論述
縄文文化の形成
大型動物は絶滅し、ニホンシカやイノシシなどの
中小動物が増加した。縄文時代には温暖化が進んだことと並列して
覚えましょう！日本史たのし～#勉強垢さんと繫がりたい #日本史 #勉強 #大学受験
— 文系の王 (英語・日本史・古文)勉強垢応援 フォロバ１００ (@b_bunkei) March 26, 2022
こんな感じで地球レベルで環境が変わってくると
人間社会の生活スタイルも相当変化してくることになります。
旧石器時代みたいに大型のゾウを追いかけまわして旧式の打製石器で
叩いて仕留めるわけにもいきません。
そんな時代が縄文文化で約1万年続きました。
縄文文化は打製石器みたいな道具の観点で考えると新石器文化ということもあります。
新石器文化というくらいですから旧石器文化で使っていた打製石器とは
ちょっと違ってきます。
縄文文化では打製石器も使われていましたが、
表面を磨いて滑らかにすることで打製石器よりも
もっと手を加えてできた磨製石器『も』登場しました。
縄文文化では磨製石器『も』登場したのです。
だから縄文文化では打製石器が使われなくなったわけではありません。
打製石器に加えて磨製石器も縄文文化では使われるようになったわけですね。
そして縄文文化で使われていた打製石器の代表は石鏃（せきぞく）です。
今日のお供は、Yuさん@sougado_sapporo
におまけしてもらった石鏃キーホルダー、withハート型土偶(ガチャ)
縄文が濃い😅 pic.twitter.com/QTvd9PUwE9— SS (@ss_violala) November 20, 2022
旧石器文化ででてきた細石器みたいに薄くはがれて鋭利な刃物になるような
黒曜石を使って弓矢の矢の先端部分を作って石鏃はできています。
そして鋭利な刃物みたいになった石鏃の先端にトリカブトなどの毒薬を塗ったりして
すばしっこいシカとかウサギを現在でいうところの弓矢みたいな形で仕留めていたようです。
旧石器時代みたいに叩いて仕留めようと思ってもすばしっこい動物は
素早く逃げますからね。
走っても叩こうと思ってもつかまりません。
だから縄文文化では中小型動物を仕留めるために
石鏃に毒を塗り、弓矢を利用して狩猟していたわけですね。
ちなみによくある間違いが
打製石器に石匙(せきひ)とか石錘を入れているパターンですね。
石匙(せきひ)とか石錘は打製石器ではなく磨製石器です。
大学受験で日本史があったら石匙(せきひ)とか石錘を打製石器として
考えてしまったら間違いになるのでご注意くださいませ。
こんな感じで旧石器時代では大型動物を仕留めていたので
叩いて仕留めることができたのですが
縄文時代に入りすばしっこい中型や小型の動物を弓矢などで仕留めるようになったので
技術が変化していったわけです。
【歴史】縄文時代の大府を知る
かつての海に面し、魚介類に恵まれていた大府の地には旧石器時代から人々が集住していた。大府市最古の遺跡とされる共栄遺跡(共栄町)からは石鏃などの打製石器や剥片石器が出土しているほか、丘陵部には桟敷貝塚(朝日町)に代表される貝塚も多い。— 大府の魅力✿再発見bot (@OBU_bot) November 22, 2022
以上まとめますと
打製石器が使われていた時代は旧石器時代と縄文時代です。
